セゾンカードの改悪 カードサービス手数料1,650円の導入「年会費無料」の罠とデメリット

皆さん、クレジットカードは日々の生活に欠かせないツールになっていますよね。特に年会費無料のカードは、気軽に持てて便利だと感じている方も多いのではないでしょうか。そんな中、クレディセゾンが2024年5月29日に発表した「カードサービス手数料」の導入は、多くのカード利用者に衝撃を与えました。
目次
改悪の内容:年会費無料カードに年間1,650円の手数料
これまで年会費無料を謳っていたセゾンカードの一部に、年間1,650円(税込)のカードサービス手数料が導入されることになりました。対象となるのは、以下のカードです。
- セゾンカードインターナショナル
- セゾンNEXTカード(AMEXブランドを除く)
- セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード(旧ウォルマートカードセゾン)※こちらは2,200円(税込)
この改定は2024年6月1日から適用され、最初の手数料徴収は2025年8月4日からとなります。
なぜこのような改悪が行われたのか?
クレディセゾンは、この改定の理由を「継続的なサービス提供のため」と説明しています。しかし、その背景には以下のような要因があると考えられます。
- 収益性の向上: クレジットカード業界全体で、低金利環境による収益の低下が課題となっています。
- 未稼働カードの管理コスト: 発行したものの使用されていないカードの維持管理にもコストがかかります。
- サービス品質の維持: 顧客サポートや不正利用対策など、カードサービスの質を保つための投資が必要です。
- デジタル化への対応: キャッシュレス決済の普及に伴い、システム投資の必要性が高まっています。
手数料はどのように適用されるのか?
カードサービス手数料の適用には、以下のような条件があります。
- カード入会月の1日から翌年入会月の末日までに1円以上の利用がない場合に適用
- 利用判定期間内に1円以上の利用があれば手数料は発生しない
- 家族カードやETCカードは対象外
例えば、2024年6月に入会した場合、2025年6月末までに1円も利用がなければ、2025年8月4日に1,650円(または2,200円)が登録口座から引き落とされることになります。
この改悪の影響は?
セゾンカードは、2024年3月末時点で2,462万人の会員を抱える大手クレジットカード会社です。その中でも、今回の改定対象となるカードは人気の高い券種です。例えば、セゾンカードインターナショナルは、学生や主婦層にも人気があり、幅広い層に利用されています。
この改定により、以下のような影響が予想されます。
- 未稼働カードの解約増加: 年に1回も使用しないカード所有者の多くが解約を選択する可能性があります。
- 競合他社への流出: 年会費無料を重視するユーザーが、他社のカードに乗り換える可能性があります。
- カード利用頻度の向上: 手数料を避けるために、最低でも年1回はカードを使用する動きが増えるかもしれません。
- クレディセゾンの収益への影響: 短期的には手数料収入が見込めますが、長期的には顧客離れのリスクもあります。
どう対応すべきか?
この改定に対して、カード所有者はどのように対応すべきでしょうか。以下に、いくつかの選択肢をご紹介します。
- 年1回以上の利用: 手数料を避けるため、少なくとも年に1回はカードを使用する。
- 解約: カードを使用する予定がない場合は、解約を検討する。
- 他のセゾンカードへの切り替え: 改定対象外のセゾンカードへの切り替えを検討する。
- 他社カードへの乗り換え: 年会費無料のまま据え置かれている他社カードへの乗り換えを検討する。
セゾンカードの今後の展望
クレディセゾンは、この改定と並行して、プレミアム戦略にも力を入れています。2026年度までに、プレミアム層と法人顧客の拡大を目指しているのです。
具体的には、以下のような施策を展開しています。
- プレミアム会員の拡大: ゴールドカード以上の会員比率を25%まで引き上げ(2018年度は8%)
- 高額利用者の増加: 年間100万円以上利用する会員数を2018年から2023年の間に約40%増加
- 新規カードの発行: 「JQ CARD セゾン GOLD」(年会費11,000円)や「スルガ・セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」(年会費22,000円)などの展開
これらの施策により、クレディセゾンは収益性の向上を図ろうとしています。プレミアム層の年間平均利用単価は60万円と、一般会員の約2倍になるためです。
まとめ:賢いカード利用を
今回のセゾンカードの改悪は、クレジットカード業界全体の課題を反映したものと言えるでしょう。しかし、ユーザーにとっては突然の負担増となる可能性があります。
この機会に、自分のクレジットカードの使い方を見直してみるのはいかがでしょうか。本当に必要なカードはどれか、年会費に見合う価値があるかを考え、賢いカード利用を心がけましょう。
また、クレジットカード会社も、顧客満足度を維持しながら収益を確保するという難しい課題に直面しています。今後も、各社の動向に注目していく必要がありそうです。
クレジットカードは便利なツールですが、使い方次第では大きな味方にも、厄介な存在にもなり得ます。この改定を、自身の家計と向き合うきっかけにしてみてはいかがでしょうか。賢い消費者であり続けることが、最終的には私たち自身を守ることにつながるのです。
セゾンカード カードサービス手数料